2013年3月4日月曜日

【on time の意味】


 on time の意味について考えます。


     on time  : 時間どおりに

      The bus arrived on time.


 ではなぜ on time の意味は「時間どおりに」なのでしょうか?
 
 当ブログでは以下のように考えます。

 【at, on, in の使い分け】2のところで以下のように考えました。


      on : 「面」を表わす

           ニ次元空間

           「面」に接していると感じる時に使われる

           → 「動作」を表わす


      on : 「川」を表わしている感じ

           動いている感じ

           → 「動作」


      「場所」を表わす on, が拡張」されて「時間」や「動作」も表わすようになった


 以上のことから on time のニュアンスは以下のとおりとなります。


       on time  : ある特定の時間の流れにのって動いている感じ

               →「時間どおりに」


       The bus arrived on time.

       : バスが「運行時刻表」という時間の流れにのって動いて着いた

         →「バスが時間どおりに到着した。」


 on は「動作」という感覚をもつと、いろいろな慣用表現の意味を理解ですることができると思います。


2013年2月11日月曜日

【not について】




 not について考えます。

 not のポイントは「→」です。

 つまり、「右側」に「力」を及ぼします。


   ・ I’m not → sick now.

   ・ He didn’t → go there.

   ・ Not → a sound was heard. (物音ひとつ聞こえなかった。)

 
 not の使い方は、否定したい部分の前に置いてやることです。


【英語本】




 ヨ―スタイン・ゴルデル著・須田朗監修・池田香代子訳 『ソフィーの世界』 NHK出版、1995年

 「英語の抽象思考の特徴」についていろいろ調べているうちに、哲学者「カント」の「人間の認識」の特性についての議論が興味深かったので取り上げます。


   【カントの認識論】

  ・「ものを時間と空間のなかにとらえるのは、人間の生得的性質」

  ・「時間と空間は人間の側にある」

  ・「時間と空間はぼくたちの意識の特性」

  ・「人間の理性がすべての出来事を原因と結果の関係でとらえる」

  ・「因果律はぼくたちに生まれつきそなわっている」

   (P415~416)


 このカントの認識論の視点で英語の抽象思考の特徴を分析していきたいと思います。


【must にはなぜ「現在形」しかないのか】


   ・ I must finish my homework.  (~しなければならない)

   ・ He must be sick. because he looks pale.  (~にちがいない)


 助動詞 must には「現在形」しかありません。

 つまり、過去形がないのです。

 他の助動詞には過去形がちゃんとあります。 (would, could など)

 これはなぜでしょうか?

 当ブログの「具体」と「抽象」という視点で以下のように説明したいと思います。

 【助動詞】のところで次のように記載しました。


        ●動詞の現在形: 100%  (事実)「具体」

    助動詞の原形・過去形+動詞の原形: (推測)「抽象」
   ●must      90%  
      will       70%
       can        60%
    may     50%
     would    40%
     could    30%
     might    20%

       *数字は実現の度合いを表しています。


 注目してほしいところは●印のところです。

 musit の推測の度合いは90%です。

 これは具体的「事実」を表わす動詞の現在形(100%)に一番近い数字です。

 つまり、must の表わす内容は限りなく「事実」に近いのです。

 英語は「事実」を「現在形」で表わします。

 そして、must も限りなく「事実」に近いため「現在形」で表わされるのです。

 must の意味は「~しなければならない」・「~にちがいない」ですが、いずれも十分な根拠に基づいた断定であり、話し手は「~」をほぼ「事実」として認識しているのです。

 最後に、must に過去形がない理由ですが、これは過去形が具体的事実ではなく頭の中での想像を表わすため must とは相性がよくないからです。

 以上が、「must にはなぜ現在形がないのか」の理由であると当ブログでは考えます。


2013年2月10日日曜日

【英文読解】3


引き続き同じ英文を読み解きます。


 Many of the advantages of recycling are fairly obvious.  The more we use recycled materials, the less we need to use new materials.


 この英文での作者の抽象的ポジションは

 Many of the advantages of recycling are fairly obvious.

 でした。

 では、さらに分析をしていきましょう。

 この文の中で作者の抽象的ポジションが明確に述べられている箇所は、、

 fairly obvious

 です。

 
     fairly : かなり

     obvious : 明かな


 そして、さらに分析すると以下のようになります。


     fairly → obvious を肯定的にとらえていることを示唆している

     obvious → 見てすぐわかる、わかりきっている、を意味している
   
              clear : (疑念がないから)明らか

              obvious  : (目の前に見えているから)明らか


 つまり、fairly obvious は「もうわかりきっていますよ」、という感じです。

 「リサイクルにはたくさんのいいことがあるのは、もうわかりきっていますよ。」、という感じが作者の抽象的なポジション(立ち位置)です。

 したがって、単なるリサイクル賛成ではなく、「当然」大賛成・大賛成「当たり前」という感じがより正確です。

 以上のように、作者の抽象的ポジションをより正確に読みとくことが大切です。


2013年2月3日日曜日

【英文読解】2


 Many of the advantages of recycling are fairly obvious.  The more we use recycled materials, the less we need to use new materials.


 まず、この英文での作者の「抽象」的ポジションは何でしょうか。

 Many of the advantages of recycling are fairly obvious.

 (リサイクルには多くの利点があることは、かなり明らかである。)

 それは、「リサイクル大賛成」というポジションです。

 では、「リサイクル大賛成」という「抽象」的ポジションを維持するための「理由」は何でしょうか。

  The more we use recycled materials, the less we need to use new materials.

 (リサイクルされた材料をたくさん使えば使うほど、それだけますます新たな原料を使う必要がなくなる。)

 つまり、「資源の節約」が、「リサイクル大賛成」という「抽象」的ポジションを維持するための理由です。

 the + 比較級 ~、 the + 比較級 ・・・ 「~すればするほど、ますます・・・」

 以上のように、作者の「抽象」的ポジションと、そのポジションを維持するための理由を読み解いていくのが当ブログの読解法です。

 かなりシンプルですが、このシンプルさが重要だと思います。


【英文読解】1


 英文読解を取り上げていきます。

 まず、当ブログの英文読解方法を提示します。

 
     【「具体」と「抽象」でよみとく英文読解】

     ・「抽象」 : 作者の「意見」

              「意見」は頭の中で想像する「抽象」的な思考

                →作者の「抽象」的な意見をよみとく

              →作者の「抽象」的ポジションをよみとく

     ・英語の特徴 : 「抽象」的ポジションを維持するためには必ず理由が必要

                 →その理由をよみとく

     ・「具体」 : 「抽象」的ポジションをサポートするための具体例や事実など


 ポイントは、作者の「意見」、すなわち、「抽象」的ポジションをよみとくことです。

 「抽象」的ポジションとは、作者の「抽象」的な立ち位置です。

 例えば、「喫煙に反対である」、という意見を作者が英文に書いたとします。

 この場合、「喫煙に反対である」、というのが作者の「抽象」的ポジションです。

 そして、この「抽象」的ポジションを維持するために、作者はその理由を論じなければならないのです。

 なぜなら、英語では、理由がなければその「抽象」的ポジションを維持できないからです。

 日本語の場合はとくに理由を説明しなくてもなんとなくですますことができますが、英語ではそれが通用しません。

 この英語の特徴をとらえる読解方法が当ブログの読解方法です。


【英語本】




 横山雅彦 『横山ロジカル・リーディング講義の実況中継』 語学春秋社、2001年

 大学受験の英文読解において、革命的な方法を考案されたのは、やはり横山先生だと思われます。

 横山先生の「ロジカル・リーディング」は、英語の論証方法の特徴を非常によくとらえた読解方法だと思われます。

 これから当ブログでも「英文読解」を取り上げていきます。

 もちろん、横山先生の「ロジカル・リーディング」とは異なる方法論を採用します。

 それは「英語の論証方法の特徴をとらえる」という点では共通していますが、当ブログでは「抽象」思考に焦点をあてた読解法を取り上げていきたいと思います。


2013年2月2日土曜日

【英語本】




 町田健 『町田教授の英語のしくみがわかる言語学講義』 研究社、2002年

 英語の特徴を他の言語と比較しながらわかりやすく説明しています。

 特に「英語の時制」についての記述が印象的でした。

 以下引用です。


      時制とアスペクト

  •  英語の時制の特徴は、世界の諸言語の中でも、とりわけ複雑なしくみをもっているということです。現在、過去、未来という基本的な時制はもちろん、英語には、私たち日本人には特にわかりにくいと言われる「現在完了」という時制があります。

  •  そして、現在現在完了だけでなくて、過去の時点よりも前に起こった事柄を表わす「過去完了」時制と、未来の時点よりも前に起こった事柄を表わす「未来完了」時制もあります。

  •  とにかく、英語には、考えられる限りのありとあらゆる時制があると言っても言い過ぎではないくらいなのでして、こういうほとんどカンペキな時制のしくみがあるというのは、英語の大切な特徴だと言えると思います。(P10~11)


 現在形以外の時制は、頭の中で想像するヴァーチャルな「抽象」的世界です。

 この英語の複雑で完成された時制の体系は、英語がやはり「抽象」思考を得意としていることを表わしていると思われます。


2013年1月27日日曜日

【語彙】


 「可算」・「不可算」両方の形・意味をもつ名詞について考えます。

 
      【fire】  

       可算: 火事・料理用の火  (具体)

       不可算: 火・火災  (抽象)


      【room】

       可算: 部屋・室  (具体)
 
       不可算: 空間  (抽象)


      【trouble】

       可算: もめごと  (具体)

       不可算: 悩み・迷惑  (抽象)


      【land】

       可算: 国・領域  (具体)

       不可算: 陸  (抽象)


 実はものすごいたくさんの名詞が可算・不可算両方の形・意味をもっています。

 辞書をみると、C:(Countable)(可算)、U:(Uncountable)(不可算)と記載されています。

 では、なぜこれほどたくさんの名詞が両方の形・意味をもつのでしょうか。

 それは、話し手がある名詞を「具体」的なものとととらえれば可算の形・意味となり、「抽象」的なものととらえれば不可算の形・意味となるからです。

 今、目の前にあるもので頭の中の想像と一致するものが「具体」です。

 つまり、現実に存在する個別的な事実が「具体」です。

 今、目の前になく頭の中の想像とは一致しないものが「抽象」です。

 つまり、頭の中の想像だけのものが「抽象」です。

 ポイントは、英語には「具体」と「抽象」を形で「区別」しようとする特徴がある、ということです。


2013年1月26日土曜日

【数量詞】


 「数量」の表わす表現(数量詞)について考えます。


     【数】を表わすもの = 「具体」を表わす

     ・many ~ (多くの~)

     ・few ~ (ほとんど~がない)

     ・a few ~ (少しの~)

     *~には「具体」を表わす「数えられる」名詞がくる

     例:  many books


     【量】を表わすもの = 「抽象」を表わす

     ・much ~ (多くの~)

     ・little ~ (ほとんど~がない)

     ・a little ~ (少しの~)

     *~には「抽象」を表わす「数えられない」名詞がくる

     例:  much information


     【数・量】両方を表わすもの = 「具体」・抽象」両方を表わす

     ・a lot of ~ (たくさんの~)
   
     ・some ~ (いくつかの~)

     *~には「具体」・「抽象」どちらの「可算」・「不可算」名詞もくる

     例: a lot of books,  a lot of information


 他にもいろいろな表現があります。

 ポイントは、「具体」を表わす名詞に対しては「具体」を表わす数量詞が、「抽象」を表わす名詞に対しては「抽象」を表わす数量詞がそれぞれ使い分けられている、ということです。


【英語本】




 石井隆之 『前置詞マスター教本』 ベレ出版、2002年

 当ブログの【at, on, in の使い分け】の参考文献として活用させていただきました。

 まさに前置詞の辞書という感じです。

 前置詞は奥が深いので、さらに理解を深めたい方へ一度挑戦していただきたい一冊だと思います。


【at, on, in の使い分け】2


 前回の【at, on, in の使い分け】の続編です。

 おなじみの慣用表現に次のようなものがあります。


    ・on ~ ing   「~するとすぐに」  = as soon as ~

    ・in ~ ing  「~する時」  = when ~

    * at ~ ing という表現はない


 ところで、なぜ on ~ ing の訳は「~する時」ではなく「~するとすぐに」となるのでしょうか。

 また、なぜ at ~ ing という表現はないのでしょうか。

 他にも次のような単語もあります。

 
    ・onto  「~の上へ」

    ・into  「~の中へ」

    * atto という表現はない。


 では説明します。

 前回の「at, on, in の使い分け」のところで次のようにまとめました。


      at  : 「点」を表わす

          一次元空間

          「目の前」にある「点」と感じる時に使われる


      on : 「面」を表わす

           ニ次元空間

           「面」に接していると感じる時に使われる


      in  : 「立体的空間」を表わす

           三次元空間

           「立体的空間」に包まれていると感じる時に使われる


 これにもう一つの視点を付け加えると次のようになります。


      at  : 「点」を表わす

          一次元空間

          「目の前」にある「点」と感じる時に使われる

          → 「状態」を表わす


      on : 「面」を表わす

           ニ次元空間

           「面」に接していると感じる時に使われる

           → 「動作」を表わす


      in  : 「立体的空間」を表わす

           三次元空間

           「立体的空間」に包まれていると感じる時に使われる

           → 「状態」・「動作」を表わす


 この「状態」・「動作」とは次のような感じです。


      「状態」 : 静的、安定している

      「動作」 ; 動的、変動している


 そして、at, on, to の「状態」・「動作」の感じをつかむには次のような「山・川・海」という比喩がわかりやすいと当ブログでは考えます。


      at  : 「山」を表わしている感じ

          静止している感じ

          → 「状態」


      on : 「川」を表わしている感じ

           動いている感じ

           → 「動作」


      in  : 「海」を表わしている感じ

           川に比べれば静止しているが山よりも動きがある感じ

           → 「状態」・「動作」


 つまり、次のような関係にあります。


      at  > in > on  (「状態」の程度)

      at < in <  on  (「動作」の程度)


 以上をふまえて冒頭の慣用表現をもう一度みてみましょう。


    ・on ~ ing   「~するとすぐに」  = as soon as ~ 「動作」

    ・in ~ ing  「~する時」  = when ~ 「状態」・「動作」

    * at ~ ing という表現はない (「動作」を表わせないから使えない)


 つまり、on が強い「動作」を表わすため、「時間+強い動作」を表わす訳として「~するとすぐに」となります。

 一方、in は on よりも弱い「動作」を表わすため、「時間+弱い動作」を表わす訳として「~するとき」となります。

 もともとは「場所」を表わす on, in が次第に「拡張」されて「時間」や「動作」も表わすようになったのです。


2013年1月20日日曜日

【too ~ to ・・構文】


 「too ~ to ・・構文」について考えます。


     1. English is too difficult to understand.  

        「英語はあまりにも難しいので理解できない。」


 「too ~ to ・・構文」の訳はなぜ「あまりにも~なので・・できない」となるのでしょうか。

 特に not などの否定語がないにもかかわらず「~できない」と訳すのはなぜなのでしょうか。

 まず、too のもともとの意味を見て見ましょう。


     2. He is tall.  I am too.

                「彼は背が高い。私も同じです。」

       = He is tall.  I am tall.


 too のもともとの意味は「~も同じ」です。

 そして、この「~も同じ」は「tall が2つある」ということを表わしています。

 つまり、too ~ は「~ × 2倍」を表す、と当ブログでは考えます。


      too ~: 「~ × 2倍」を表わす

             *~ には形容詞・副詞がくる


 次の例文で見て見ましょう。


      3. You are eating too fast.

         (あなたは「fast × 2倍」で食べている。)

         →「あなたは食べるのがあまりにも早すぎる。」


 この場合も、あなたが食べる速度は「fast × 2倍」であるから、それは「あまにも早すぎる」ということを表わしています。

 では、再度1の文を見て見ましょう。


     1. English is too difficult.

                 ( 英語は「difficult × 2倍」であり、あまりにも難しすぎる)


 そして、too が to understand に「力」を及ぼして自らの内容を説明させています。


     1. English is too → difficult to understand.  

                ( 英語は「difficult × 2倍」であり、あまりにも難しすぎる)

        (どの程度難しすぎるかというと、理解できない程だ)

        →「英語はあまりにも難しいので理解できない。」


 「理解できない」という否定がでてくる理由は、too が「diffuclt × 2倍」を表わすために「理解不可能」となったからです。

 ただでさえ英語は difficult なのに、difficult が2倍となったらもうお手上げです。

 このお手上げという不可能な状態を表わすために、訳は「理解できない」となるのです。

 最後に、so ~ that ・・構文と同様、too ~ to ・・構文でも以下のような「拡張」が行なわれています。           


      【too ~ to ・・構文】

      「~な程・・できない」 → 「あまりにも~なので・・できない」 

      「程度」     →  「因果関係」  (「拡張」)

      「程度」     <  「因果関係」  (「抽象」の度合い)

      「できない」と訳すのは too ~が 「~ × 2倍」を表し「不可能」となるため


【while について】


 while について考えます。


      1. I watched TV while Mother went shopping. (~の間に)

      2. I am poor at English,  while he is good at it. (だが一方で)


 なぜ while には2の「だが一方で」という「対比」的の意味もあるのでしょうか。

 実は、while に限らず、when 、where にも同じような「対比」的の意味があります。


      3. I am poor at English when he is good at it. (~なのに)

      4. Where he is good at English,  I am poor at it. (~だけれども)

         = Whereas he is good at English,  I am poor at it.


 「対比」とは何かと何かを比べてその「差」に注目することという意味です。

 そして、その「差」はしばしば否定的なニュアンスでとらえられます。


      「対比」: 何かと何かを比べてその「差」に注目すること

             → ~の一方、~なのに、~だけれども
              
               (否定的なニュアンスでとらえれらることもある)
             


 では、なぜ while, when, where には「対比」の意味があるのでしょうか。

 当ブログでは、「時間」と「場所」を表わす語の意味が「拡張」されて「対比」を表わすようになったと考えます。


      「時間」・「場所」     →  「対比」  (「拡張」)

      「時間」・「場所」     <  「対比」  (「抽象」の度合い)


 例文をもう一度見て見ましょう。


      2. I am poor at English,  while he is good at it. (だが一方で)

      3. I am poor at English when he is good at it. (~なのに)

      4. Where he is good at English,  I am poor at it. (~だけれども)

         = Whereas he is good at English,  I am poor at it.


 すべて共通しているのは、while, when, where, whereas が、2つの異なる状況を接続しているということです。

 2つの異なる状況とは、「私は英語が苦手である」ことと「彼は英語が得意である」ことです。

 そして、その接続の仕方が当初は when, while は「時間」、where は「場所」であったのですが、次第にそれが「拡張」されて、2つの異なる状況の「差」・「対比」を表わすようになったと考えられます。

 つまり、when, while, where という「時間」・「場所」から、2つの異なる状況の「差」・「対比」へと話し手の焦点が変化していったのです。

 意味の「拡張」という「抽象」化がされていることに気付くと、なぜ1つの単語にいろいろな意味があるのかを理解できるようになります。


2013年1月14日月曜日

【英語本】




 大矢復 『大矢英語読み方講義の実況中継』 語学春秋社、2002年

 当ブログで取り上げた「so that 構文」は、大矢先生のこの本を参考にさせていただきました。

 大矢先生の鋭い英語感覚を、この本のいろいろな項目の中で感じることができました。

 この鋭い感覚は、イタリア語やドイツ語との比較の上で、英語を解釈されているためではないかと思いました。


【so that 構文】


 「so that 構文」について引き続き考えます。


      1.I opened the door so that he could come in.


 前回取り上げた「so ~ that ・・」構文とは so が置かれている位置が異なります。

 この位置の違いが大きな意味の違いをもたらしています。

 では、この1の文の解釈はどうなるでしょうか。

 まず、1の文の「→」の「力」は次のようになっています。


      1.I opened → the door so

 
 I が opened 以下へ「力」を及ぼしているように、opened も door 以下へ「力」を及ぼしています。

 そして、so は opened によって「力」を及ぼされています。

 この so の解釈は次のようになります。


      1.I opened → the door so  

        「私はそのようにドアを開けた。」


 これを前提に再度1の文を考えます。


      1.I opened the door so → that he could come in.

      (私はそのようにドアを開けた。どのように開けたのかというと、彼が中に入ることができるようにドアを開けた。)


 つまり、so が that 以下へ「力」を及ぼして自らの内容を説明させているのです。

 さらに、ここから次のステップがあります。


      【so that 構文】

      「そのように」 →  「~するために」 

      「程度」     →  「目的」  (「拡張」)

      「程度」     <  「目的」  (「抽象」の度合い)


 「私はそのようにドアを開けた」と「彼が中に入る」という「程度」の関係から、「私はドアを開けた」と「彼が中に入れるようにするために」という「目的」の関係へと「拡張」されています。

 「程度」よりも「目的」のほうがより「抽象」度が高くなっています。

 なぜなら、「目的」のほうが頭の中でより高度な思考を必要とするからです。

 ですから、1の文の解釈は次のようにまとめることができます。


      【so that 構文】

      1.I opened → the door so → that he could come in.

      (私はそのようにドアを開けた。どのように開けたのかというと、彼が中に入るようにドアを開けた。)

             → 「彼が部屋の中に入れるようにするために、私はドアを開けた。」


 同様に、もうひとつの「so that 構文」について考えます。


      2.I opened the door,  so that he could come in.


 1の文との決定的な違いは「,」(カンマ)があることです。

 この2の文の解釈は次のようになります。


      【so that 構文】

      2.I opened the door,  so that he could come in.

      「私はドアを開けた。だから、彼は部屋の中へ入ることができた。」


 なぜそうなるのでしょうか。

 2の文は「,」(カンマ)があるため、次のような構造となっています。


      2.I opened the door,  so that he could come in.

              = I opened the door.  So (that) he could come in.
 
              = I opened the door.  So he could come in.


 結局、2の文の so は、「結果」を表わす「だから」の so なのです。

 2の文の「→」の「力」は次のようになります。


      2.I opened the door, / so → that he could come in.


 つまり、2の文は2つの独立した文で構成されており、so は前の文からは「力」を及ぼされておらず、あくまで、so が that 以下へ「力」を及ぼしているだけとなります。

 まとめると次のようになります。


      【so that 構文】

      2.I opened the door, /  so → that he could come in.

      「私はドアを開けた。だから、彼は部屋の中へ入ることができた。」