2012年8月13日月曜日

【具体と抽象の区別】


 「具体と抽象を形で区別する」とはどういうことでしょうか?

 例をいくつか見ていきましょう。

 まず、名詞の形です。


   名詞を具体的にとらえている場合 → 数える(可算)、冠詞をつける

   名詞を抽象的にとらえている場合 → 数えない(不可算)、無冠詞


 英語は、数にこだわるなあと感じた人は多いと思います。これは英語が数にうるさいからというよりも、具体的なことと抽象的なことを区別するのにうるさいからなのです。

 次に、動詞の形です。


   動詞を具体的にとらえている場合 → 現在形

   動詞を抽象的にとらえている場合 → 過去形・完了形・原形・不定詞


 英語は、時制にこだわるなあだと感じた人も多いと思います。これも英語が時制にうるさいからというよりも、具体的なことと抽象的なことを区別するのにうるさいからなのです。


 また、能動態・受動態の区別もあります。

   
   動詞を具体的にとらえている場合 → 能動態

   動詞を抽象的にとらえている場合 → 受動態


 ただし、能動態の場合でも、過去形の能動態、完了形の能動態、不定詞の能動態等は、「抽象」を表します。

 以上のように、英語はいつも具体と抽象を形で区別しています。

 では、「具体」・「抽象」とは何でしょうか?


     「具体」: 目の前にある事柄 = 「事実」 (客観的事実+主観的事実)

     「抽象」: 頭の中で想像する事柄 = 「推測・仮説」


 事実と推測・仮説の区別は話し手が決めることができます。話し手が「事実」であるととらえれば「具体」の形を使うし、「仮説・推測」であるととらえれば「抽象」の形を使うのです。したがって、科学的事実のような客観的事実だけでなく、主観的事実も「具体」で表現するのです。
  

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