2012年8月20日月曜日

【過去分詞】

 
 過去分詞とは何でしょうか?

 本ブログでは、過去分詞を「第二抽象形」と呼びたいと思います。

  
    現在形 < 過去形 < 過去分詞形  (抽象度)


 過去形(第一抽象形)より、過去分詞形はさらにもう一段階抽象度が高い(第二抽象形)ことを表しています。

 では、受動態と完了形で利用されているこの過去分詞には、何か共通する概念があるのでしょうか?

 本ブログでは共通の概念があると考え、仮説としてそれを「逆転」という概念だと考えます。

 
    【受動態】 (be動詞 +過去分詞)

    → 主語と目的語を「逆転」させている 

      (主観を客観に「逆転」させている)


    【現在完了形】 (have + 過去分詞) 

    → 時間の目線を「逆転」させている 

      (現在→過去を、現在→過去→現在へと「逆転」させている)
  

 現在完了形の「時間への目線を逆転させている」というのは、過去形が「現在→過去」という目線であるのに対し、過去分詞は、その目線を過去の時点でUターン(逆転)させて、現在→過去→現在としている、という意味です。

 「逆転」させることで抽象度が高くなっていることに注意しましょう。主観よりも客観のほうが、また、「現在→過去」よりも「現在→過去→現在」のほうが、話し手の想像が拡張されているため、抽象度が高くなっています。より抽象度が高いからこそ、それを形で表わすため「過去分詞形」ができた、と考えられます。

 この仮説に基づくと、「逆転」という概念をもつ過去分詞は、結果として「受動」と「完了」の意味をもつ、ということになります。


   【過去分詞】の意味 
  
   ①受動 (~された)
   ②完了 (~した)


 最後に、過去分詞はbe動詞やhaveから独立して、形容詞(句)としても利用できます。


   My bag was stolen.      →  my stolen bag

     I have retired from the army as a solder.  → a retired soldier


   【過去分詞】の働き

   ①動詞的用法(受動態と完了形をつくる)
   ②形容詞的用法


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