2012年8月28日火曜日

【不定詞】1


 不定詞とは何でしょうか?

 定まらない品詞という命名ですが、そんなことはありません。用法は定まっています。

 
    to不定詞  +  動詞の原形


 形でのポイントは2つあります。1つは、「to」とは何か、2つめは、動詞の「原形」とは何か、です。

 まず、動詞の「原形」から考えていきましょう。


   動詞の現在形 : 「具体」を表す  →  事実を表す (三単現のSをつける)
   
   動詞の「原形」 : 「抽象」を表す  → 想像を表す (三単現のSをつけない)

   *三単現とは「三人称・単数・現在」のことです。

      He lives in Kyoto.

      He wants to live in Kyoto.


 どんな時制でも、どんな主語でも、受動態と完了形をのぞけば、to不定詞の後の動詞は、いつでも同じ形、すなわち、動詞の一番基本的な形である「原形」、となります。

 ところで、動詞の原形は何も不定詞の後にだけ使用されているわけではありません。助動詞の後でも使われています。そこで、なぜ助動詞の後では、動詞を「原形」とするのか、を考えたいと思います。


     I will play basketball with him tomorrow

  助動詞 + 動詞の原形 = 「抽象」 + 「抽象」 → 想像を表す 


 助動詞は「抽象」的な「想像」を表しますが、これは、具体的な事実を述べるのではなく、あくまで、話し手の想像という「抽象的な世界」でのことがらを述べる表現です。そして、「想像」とは、これからについての推測、つまり、「未来」について述べる表現です。英語には過去形のような形が定まった未来形というものはなく、助動詞などを利用して、未来を、話し手の推測という形で表わします。

 さて、この「抽象世界」では、動詞部分が表わす動作も、もちろん、話し手の想像となります。

 例えば、「play」の原形の意味を考えてみましょう。「抽象世界」でのplayとは、話し手がイメージするplayを意味します。目的語がbasketballであれば、話し手がイメージするバスケットボール「をする」、という意味です。

 では、そのような話し手のイメージを表す動詞がなぜ「原形」という形をとるのでしょうか?それは、想像という「抽象」を表すため、事実という「具体」を表わす現在形と区別しようとしたから、と当ブログでは考えます。現在形とほとんど同じ形ではないかと思われるかもしれませんが、完了・受動態を除けば、「いつでも同じ形」、という点が明確に異なるのです。(現在形のように、三単現のSがつかない。)

 そして、もうひとつ、助動詞の後の動詞の原形が、現在形とは決定的に形が異なる点があります。それは、助動詞の後には実は「to」不定詞が省略されている、というものです。

 では次に「to」とは何か、ついて考えていきましょう。


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