
2012年9月16日日曜日
【具体と抽象】
ここで一度、「具体」・「抽象」とは何であるかを整理したいと思います。
具体: (意味) 事実を表す
(形) 動詞: 現在形(能動態)
名詞: 可算・冠詞あり
抽象: (意味) 想像を表す
(形) 動詞: 過去形・完了形・進行形・仮定法・原形・受動態
名詞: 不可算・冠詞なし
その他: 不定詞・動名詞・助動詞・形容詞・副詞等
ただし、能動態の場合でも、過去形の能動態、完了形の能動態、進行形の能動態等は「抽象」を表します。
ここで、具体と抽象を比較すると、以下のようになります。
・抽象のほうが具体に比べ表現の種類が圧倒的に多い。
・抽象のほうが具体に比べ表現の形が複雑になっている。
つまり、英語はいろいろな「抽象思考」を表現したがる言語であるといえます。話し手の頭の中で想像した事柄を、目の前の具体的な事柄と区別して、それをいろいろな形で表わそうとする特徴が英語にはあります。
よく考えてみると、言葉で表わされる事柄は、目の前の事実の描写(具体)よりも、想像という思考(抽象)のほうが圧倒的に多いと思われます。昨日何をした、明日何をする、あれは~だろうなどはすべて話し手の想像という抽象思考です。
また、情報量という点から考えてみても、目の前の事実の情報量よりも、話し手の想像の情報量のほうが圧倒的に多いと思われます。想像は何でもありですから。
さらに、時間軸で考えてみても、1秒、2秒、と時計が進むのに合わせて生じる出来事や、毎週、毎月、毎年などと周期的に繰りかえされる出来事は「具体」で、それ以外の時間での出来事は「抽象」となりますが、時間の範囲も抽象のほうが圧倒的に多いと思われます。
その結果、英語は抽象のほうが具体に比べ表現の種類が圧倒的に多く、また、それらを区別して表わそうとするために、表現の形が複雑になっているのです。
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