2012年9月16日日曜日

【仮定法】1


 仮定法について考えます。

 仮定法とは、話し手の比較的実現可能性が低い想像を表す手法です。
 
 ということは仮定法はもちろん「抽象」を表しますが、その抽象の度合いがかなり高いことが特徴です。 そのため高い抽象度を表すことができる形が採用されています。それは次の3点です。

   
   ① 原則、「if」(もしも~ならば)という接続詞が使われる


 ただし、「if」だけでは事実(具体)としてとらえた仮定も表すこともできるため、抽象を表すためにはもう一つの形がセットで採用しています。

    
   ② 「現在」の事柄の実現可能性の低い想像を表すために「過去形」が使われる


 過去形は「抽象」を表わしますが、本来現在形であるべきところで過去形をあえて使用することによって、「現在の事実と想像との距離の大きさ」、すなわち、想像の度合いが高い(抽象度が高い)ことが表現できるのです。丁寧表現等でも利用されていますね。

 また、この過去形は「~でした」という過去を表すのではなく、あくまで「現実と想像との距離の大きさ」を表すので、訳し方は現在形と同じ(~です)となります。

   
   ③ 「過去」の事柄の実現可能性の低い想像を表すために「過去完了形」が使われる

 
 3つ目は、「現在」の事柄の実現可能性の低い想像を表すために「過去形」が使われているのと同じ論理で、「過去」の事柄の実現可能性の低い想像を表すために「過去完了形」が使われている、ということです。つまり、時制をひとつ過去の方向へずらすことで想像の度合いが高い(抽象度が高い)ことを表しているのです。

 仮定法の基本形をまとめると以下のようになります。


  1.現在の事柄に対する実現可能性の低い想像 (仮定法過去)(抽象)

    If ・・・「過去形」・・・、 ・・・「助動詞の過去形+動詞の原形」・・・.

    (もし今~ならば、~するだろうに)(実際には~できない)

    If I *were you, I wouldn’t do such a thing.   (*wasも可能)

         If I had money, I could buy the watch.


  2.過去の事柄に対する実現可能性の低い想像 (仮定法過去完了)(抽象)

    If ・・・ 「had + 過去形」・・・、 ・・・「助動詞の過去形 +had + 過去分詞」・・・.

    (もしあのとき~ならば、~しただろうに)(実際には~できなかった)

         If I had money, I could have bought the watch.



 次に、仮定法未来について見ていきます。 


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