2012年10月20日土曜日

【自動詞と他動詞】


 「自動詞」と「他動詞」について考えます。

 自動詞には完全自動詞・不完全自動詞があります。

 他動詞には完全他動詞・不完全他動詞があります。

 これらを「拡張」という視点で整理していきます。


    1. He runs.    (完全自動詞)


 1の文はもっともシンプルな構造(主語と動詞のみ)からなっている第一文型( S + V)の文です。この文の動詞は「完全自動詞」です。


    完全自動詞 : 他の語(目的語・補語)に影響力を及ぼさない動詞

               = 拡張されていない動詞 (拡張なし)


    2.  He feels lonely.   (不完全自動詞)


 2の文は、主語と動詞と補語(C) から成る第二文型(S + V + C)の文です。この文の動詞は「不完全自動詞」です。


    不完全自動詞 : 1つの補語に影響力を及ぼす動詞

                = 拡張されている動詞 (1次拡張)


    3. He runs a restaurant.  (完全他動詞)


 3の文は、主語と動詞と目的語(O) から成る第三文型(S + V + O)の文です。この文の動詞は「完全他動詞」です。ちなみにこの run は「~を経営する」という意味です。


    完全他動詞 : 1つの目的語に影響力を及ぼす動詞

               = 拡張されている動詞 (1次拡張)


    4.  I gave her a present. (完全他動詞)


 4の文は、主語と動詞と目的語(O) と目的語(O)から成る第四文型(S + V + O + O)の文です。この文の動詞も「完全他動詞」ですが、第三文型の完全他動詞とは拡張という点では異なるものです。


    完全他動詞 : 2つの目的語に影響力を及ぼす動詞

               = 拡張されている動詞 (2次拡張)


    5.  I call him Tom. (不完全他動詞)


 5の文は、主語と動詞と目的語(O) と補語(C)から成る第五文型(S + V + O + C)の文です。この文の動詞は「不完全他動詞」です。


    完全他動詞 : 1つの目的語と1つの補語に影響力を及ぼす動詞

               = 拡張されている動詞 (2次拡張)

 
 以上をまとめると次のようになります。

   
    第一文型 : 完全自動詞 「拡張なし」

    ↓

    第二文型 : 不完全他動詞 「1次拡張」 (1次抽象化)

    ↓

    第三文型 : 完全他動詞 「1次拡張」 (1次抽象化)

    ↓

    第四文型 : 完全他動詞 「2次拡張」 (2次抽象化)

    ↓

    第五文型 : 不完全他動詞 「2次拡張」 (2次抽象化)


 要は、文型は、動詞の拡張の度合いを表しているのです。そして、動詞は拡張という抽象化の方向へ向かう傾向がある、とうことです。


0 件のコメント:

コメントを投稿