2012年10月20日土曜日

【gutch】


 思考実験をしてみます。

 新しい英単語をつくってみます。

 「gutch」(ガッチ)という単語です。日本語にあるガッツやガチンコのもじりです。

 
     gutch

     品詞 : 名詞

     意味 : ガチであること。ガチンコであること。


 まず、話し手が gutch を「具体」としてとらえているとします。


     He have a good gutch in his mind.   (具体)

     「彼はすごいガチを胸にひめている。」

     *「具体」なので可算・冠詞あり


 次に、話し手が gutch を「抽象」としてとらえているとします。


     He is full of gutch in his mind.  (抽象)

     「彼はガチで満ちあふれている。」

     *「抽象」なので不可算・冠詞なし


 そして、この名詞 gutch が「拡張」され、形容詞・副詞という新たな機能を獲得したとします。


          gutchy

          品詞 : 形容詞

          意味 : ガチな、ガチンコな、ガチに満ちた

          比較級 / 最上級 : gutcher / gutchest

           He is so gutchy that no one can beat him. (抽象)

           「彼はあまりにガチに満ちているので、誰も彼にかなわない。」


          gutchly

          品詞 : 副詞

          意味 : ガチに、ガチンコに

          比較級 / 最上級 : more gutchly / most guchly

           He made approaches to her very gutchly. (抽象)

           「彼はとてもガチに彼女にアプローチした。」


 また、gutch が「拡張され」、動詞という新たな機能を獲得したとします。


     gutch  

     品詞 : 動詞 (自動詞)

     意味 : ガチる

     過去形/過去分詞形 : gutched / gutched

     文型 : 第一文型 (S + V)、 第二文型 (S + V + C)

      He guthes very  well. (具体)(動詞の現在形)(第一文型)

           「彼はとても上手にガチる。」(?)

            He gutched happy in the end. (抽象) (第二文型)

           「彼は最終的には幸せになった。」

    

           gutch  

           品詞 : 動詞 (他動詞)

           意味 : ~をガチで取り組む。~をガチンコでやる。

           文型 : 第三文型 (S + V + O)

           He guches everything. (具体)(動詞の現在形)

           「彼はすべてのことにガチで取り組む。)

           He tried to gutch her.  (抽象)(動詞の原形)

           「彼は彼女にガチで挑もうと努力した。」


 さらに、他動詞 gutch が「拡張」されて、次のような新たな機能を獲得したとします。


           gutch  

           品詞 : 動詞 (他動詞)

           意味 : ~をガチで取り組む。~をガチンコでやる。

           文型 : 第四文型 (S + V + O + O),  第五文型 (S + V + O + C)

            He gutched her a large fortune. (抽象) (第四文型)

            「彼はガチで彼女に莫大な遺産を残した。」

             He gutched her his wife.  (抽象) (第五文型)
    
             「彼はガチで彼女を自分の妻にした。」


 最後に、gutch を使った慣用表現ができたとします。


      gutch to 動詞の原形 ~ 「ガチで~しよううとする。」

      gutch oneself to 動詞の原形 ~ 「~に没頭する」

      gutch one’s way to 動詞の原形 ~ 「~しようとひたすら突き進む。」

      have gutched to 動詞の原形 ~ 「必ず~しなければならない。」


 以上はすべて思考実験です。実在はしません。

 だんだん get の強力版みないな単語になってきてしまいました。 

 では、この実験をまとめると、次のことがわかると思われます。


    ・ある単語は使用頻度が高くなると拡張されていく可能性がある

    ・拡張は、機能の拡大をともなう

    ・拡張は、具体→抽象 という方向へ進んでいく

 
 拡張がどのようなものであるかがイメージできたのではないかと思います。


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