
2012年10月7日日曜日
【関係代名詞】2
関係代名詞には that もあります。
・He is the boy that is playing basketball over there. (= who)
・He is the boy (that) you wanted to see. (= whom)
・He plays basketball that is his favorite sport. (= which)
関係代名詞 that は、whose以外のwho, whom, which の代わりとして使用することができます。who, whom は先行詞が「人」の場合、which は先行詞が「もの」の場合に使用されますが、that はその両方で使えるということは、つまり、先行詞が何であろうと使用することができるということです。
この関係代名詞 that は、指示代名詞 that の機能が「拡張」したものです。
指示代名詞 that 「具体」 → 関係代名詞 that 「抽象」
ところで、指示代名詞には他にも this, it, they, those, these があります。
では、関係代名詞 that はあるのに、なぜ関係代名詞 this, it, they, these, those はないのでしょうか?
このことも、実は「具体」と「抽象」が関係しています。
「具体」: 「こっちの世界」
現実世界(リアルな空間)
目で見る世界
→ this, it, that, they, these, those (指示代名詞)
「抽象」: 「あっちの世界」
想像世界(バーチャルな空間)
頭で考える世界
→ that (関係代名詞)
指示代名詞はもともと比較的近くにあるものを指で差し示して、「これ」「それ」「あれ」「それら」「これら」「あれら」を意味する単語です。これらは「具体」的なものを指し示しています。they, these, thoseなどの複数形があることからも数えることができる(可算である)「具体」を表わしていることがわかります。
一方、これらの指示代名詞の中で唯一、「あれ」(that)だけは、現実と距離感がある「あっちの世界」(「抽象」)も表すことができます。
・「そうそう、あのことだけどねえ。」
・「そうそう、このことだけどねえ。」 △
想い出したように別の話題をふる時、「あのこと」と表現するほうが自然に感じられると思います。そしてこの場合の「あれ」(that)は遠くの「頭で考える世界」(「抽象」)を指し示していると思われます。(「あのことだけどねえ」と言う際、目はどこか遠く上の方を向いている感じがするのではないでしょうか。)
ところで、関係代名詞 that は、指示代名詞 that の機能が拡張したもです。拡張の結果、「抽象」を表す「形容詞」(節)という機能を獲得しました。
そして、この「抽象」を表す関係代名詞と非常に相性がいいのは、指示代名詞においては、唯一「抽象」も表すことができる「that」となるのです。
これが、関係代名詞 that はあるのに、関係代名詞 this, it, they, these, those がない理由であると考えられます。
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