大西泰斗 『英文法をこわす 感覚による再構築』 日本放送出版協会、2003年
「受験英語」しか知らない人にとってはこの本は衝撃的だと思います。
私にとってもこの本はとても印象的でした。今まで苦手だった「前置詞」「冠詞」などがやっと理解できたと思わせてくれる本でした。
学校文法は、ネイティブがその語感を通して生み出す文を、機械仕掛けの別経路から生み出そうとする壮大な試みである。そしてその低い限界が明らかになった今、新しい文法体系が求められている。
私の代案は「感覚の文法」である。機械仕掛けの限界を知り、別経路を断念し、ネイティブのもつ感覚を調査し、その生きた感覚を基に組み上げる体系である。突飛な考えではない。ことばが紡ぎ出される母なる感覚に回帰する、それだけのことだ。機械に跪くのをやめるということだ。「ネイティブはそうやってことばを使っているのだろうか。」という疑問に真摯に向き合う決意をするということだ。』(本書P14)
私も大西先生のこの考え方に賛成です。
大西先生と私のアプローチに違いは、大西先生が「感覚」に焦点をあてているのに対し、私は「具体と抽象の区別」という「思考形式」に焦点をあてている点だと思います。
ただ、どちらのアプローチをとっても、結論は共通しているものがあります。特に英語の「過去形」に対する結論がほぼ同じである点には驚きました。
大西泰斗(「ひろと」とよむ)先生の著作は非常に多くあり、それらからいろいろ勉強させていただきたいと思います。
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