
2012年11月24日土曜日
【なぜ最上級には the がつくのか】
なぜ最上級には the がつくのでしょうか?
これはなぜ最上級には a がつかないのかと同じ問題です。
ですから【a と the の違い】のところで説明した内容が答えとなります。
では説明します。
まず、比較級や最上級とは程度を比べることです。程度は形容詞と副詞で表わしますから、比較級や最上級は形容詞と副詞で表わすことになります。
また、比較級や最上級は話し手の頭の中で特定の物差しや基準で何かと何かの程度を比べることです。これは頭の中で考えるあっちの世界でのみ成り立つため「抽象」を表します。
ちなみに、頭の中で比較できないものには比較級や最上級はありません。例えば、absolute(絶対的な)、complete(完全な)などがそうです。
形容詞・副詞 : 程度を表わす
「抽象」を表わす
比較級 : 頭の中で2つの事柄の程度を比べる
「抽象」を表わす
最上級 : 頭の中で3つ以上の事柄の程度を比べる
「抽象」を表わす
では、なぜ最上級には「the」がつくのでしょうか?
He is as tall as I. (原級)
He is taller than I. (比較級)
He is the tallest in his class. (最上級)
最上級の the があたかも形容詞 tallest に対してついているように見えますがそうではありません。上記の例文を以下のようにするとわかりやすくなります。
He is as tall a boy as I. (原級)
He is a taller boy than I. (比較級)
He is the tallest boy in his class. (最上級)
通常、boyのような名詞は省略されてしまうのであたかも最上級の形容詞に対してtheがついているように見えますが、あくまで the は名詞 boy に対してついているのです。
最上級では the boy 、原級・比較級では a boy となっています。この違い理由は【a と the の違い】のところで説明した内容で答えることがでます。
a pen : a は「具体」を表わす
→ 「話し手」と「聞き手」が共通のpen を想像することができない
the pen : the は「抽象」を表わす
→ 「話し手」と「聞き手」が共通のpen を想像することができる
最上級が表わす「一番のもの」はある特定のものを表わしています。この特定のものとはこの場合は「ああ、あの背の高い~君だよね」という「共通したイメージ」を「想像することがができる」ものです。
the はもともと that から拡張された語ですから、頭の中で話し手と聞き手が「あの~君だよね」と共通して想像できる対象に対して使用できるのです。
一方、a は単に名詞が「具体的」に1つあるということを示す単語です。
以上がなぜ最上級には the がつくのかの答えとなります。
なぜ最上級には a ではなく the が使われるのか
→ 最上級は話し手と聞き手が頭の中で共通して想像できる対象だから
ポイントは、a は「具体」を表わしているのに対して、the は 「抽象」を表わしているという点です。
興味深いのは、名詞が省略された場合、形容詞の最上級では the は残るのに、形容詞の比較級では a は残らないことです。それだけ the が a よりも語の力が強いということなのかもしれません。
ちなみに、通常 the がつくのは形容詞の最上級だけで副詞の最上級にはつきません。理由は簡単で副詞の後には名詞はこないからです。(例外はあります。)
最後に、比較級に対しても the がつくことがあります。
He is the taller of the two.
of the twoがついた比較級には the がつきます。考え方は最上級と同じです。
He is the taller boy of the two boys.
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