2012年11月11日日曜日

【語の「力」】


 語の「力」について考えます。

 【語順をうみだす語の「力」】のところで取り上げた「語の力」という概念は、【自動詞と他動詞】のところで取り上げた「拡張」と同じものです。


    第一文型 : 完全自動詞 「拡張なし」

    ↓

    第二文型 : 不完全他動詞 「1次拡張」 (1次抽象化)

    ↓

    第三文型 : 完全他動詞 「1次拡張」 (1次抽象化)

    ↓

    第四文型 : 完全他動詞 「2次拡張」 (2次抽象化)

    ↓

    第五文型 : 不完全他動詞 「2次拡張」 (2次抽象化)


 文型は動詞の「拡張」の度合いを表しており、動詞は「拡張」という「抽象化」の方向へ向かう傾向がある、ということを考えました。

 「拡張」という概念をまとめると以下のようになります。


     「拡張」

     ・語の「機能」の拡張  (例: 分詞→分詞構文)

     ・語の「力」の拡張  (例: 動詞のとる文型・第一文型→第三文型)


 この語の「力」とは「影響力」や「後ろに引きつける力」のことです。

 前回取り上げた something good は something が「拡張」され good への影響力や後ろに引きつける力がUPしたものです。

 この「拡張」では目に見えない力が語に作用しているわけですが、語に力を与えている最終決定者は「話し手」であると考えられます。なぜなら話し手がその力の作用を意図して発話しているからです。

 つまり、語に「力」を与えているのは「話し手」の頭の中での「想像」であり、したがって「拡張」とは「抽象化」であると考えることができます。


     「拡張」

     ・語の「機能」の拡張  

     ・語の「力」の拡張

     →話し手が作用させている「抽象化」


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