David A. Thayne (ディビット・セイン)著・小池信考訳 『How Your English Sounds to Native Speakers その英語、ネイティブにはこう聞こえます』 主婦の友社、2003年
この本をヒントに、「may」とは何かを考えます。
- なにかの許可を得るときによく使う、おなじみの May I ~ ? 実はこれ、なかり遠慮がちな聞き方で、相手に判断をゆだねるときに使うことが多い。(P130)(傍線筆者)
まず、may の一般的な意味は次の主に2つあるとされています。
may : ① ~してもよい。 ② ~かもしれない。
しかし、当ブログでは may の意味は1つしかないと考えます。
【助動詞】のところで以下のように考えました。
助動詞の原形・過去形 + 動詞の原形 = 「抽象」 = 「推測」を表す
may 50% (実現可能性の度合い)
この「実現可能性50%という推測」と、「相手の判断にゆだねる時に使用」ということを合わせて考えると、may の意味は以下のように1つだけとなります。
【may の意味】
may : 「客観的な実現可能性が50%という推測」を表わす
→ may の意味は1つ
→ 文脈に応じて「~してもよい」、「~かもしれない」と訳す
助動詞は一般的に「推測」を表わしますが、その「推測」には「主観的」なものと、「客観的」なものがあります。
may が表わす「推測」は「客観的」なもの、つまり、「相手に判断をゆだねる」ときに使用される客観的推測です。
そして、may の実現性の度合いはおよそ50%ですから、意味は「客観的な実現可能性が50%という推測」となります。
・ May I smoke here ? (ここでタバコを吸ってもいいですか?)
・ I may be late for school tomorrow. (明日学校に遅刻するかもしれない。)
上記2つの例文とも、「客観的な実現可能性が50%という推測」を表わしています。
最後に、may には次のような慣用句があります。
【may well ~ 】
You may well be surprised at the news.
may well 訳し方は「~するのはもっともだ」、「たぶん~だろう」ですが、これも may well の1つの基本的な意味が文脈に応じて訳し分けられているだけです。
・ may (well) ~
well はmay を強調している副詞です。well (かなり) may であるという意味です。
ですから、may well は may そのものの意味が単に強調されているだけです。
【may well の意味】
may well : 「客観的な実現可能性が50%という推測を表わす」の強調版
(50%が60%ぐらいになったような感じ)
→ may well の意味は1つ
→ 文脈に応じて「~するのももっともだ」、「たぶん~だろう」
0 件のコメント:
コメントを投稿