2013年1月2日水曜日

【may とは何か】


 

 David A. Thayne (ディビット・セイン)著・小池信考訳 『How Your English Sounds to Native Speakers その英語、ネイティブにはこう聞こえます』 主婦の友社、2003年

 この本をヒントに、「may」とは何かを考えます。


  •  なにかの許可を得るときによく使う、おなじみの May I ~ ?  実はこれ、なかり遠慮がちな聞き方で、相手に判断をゆだねるときに使うことが多い。(P130)(傍線筆者)


 まず、may の一般的な意味は次の主に2つあるとされています。


  may : ① ~してもよい。 ② ~かもしれない。


 しかし、当ブログでは may の意味は1つしかないと考えます。

 【助動詞】のところで以下のように考えました。


   助動詞の原形・過去形 + 動詞の原形 = 「抽象」 = 「推測」を表す

   may     50%  (実現可能性の度合い)


 この「実現可能性50%という推測」と、「相手の判断にゆだねる時に使用」ということを合わせて考えると、may の意味は以下のように1つだけとなります。


   【may の意味】

   may  : 「客観的な実現可能性が50%という推測」を表わす

         → may の意味は1つ

         → 文脈に応じて「~してもよい」、「~かもしれない」と訳す


 助動詞は一般的に「推測」を表わしますが、その「推測」には「主観的」なものと、「客観的」なものがあります。

 may が表わす「推測」は「客観的」なもの、つまり、「相手に判断をゆだねる」ときに使用される客観的推測です。

 そして、may の実現性の度合いはおよそ50%ですから、意味は「客観的な実現可能性が50%という推測」となります。

 
      ・ May I smoke here ?   (ここでタバコを吸ってもいいですか?)

   ・ I may be late for school tomorrow. (明日学校に遅刻するかもしれない。)


 上記2つの例文とも、「客観的な実現可能性が50%という推測」を表わしています。

 最後に、may には次のような慣用句があります。


     【may well ~ 】

     You may well be surprised at the news.           


 may well 訳し方は「~するのはもっともだ」、「たぶん~だろう」ですが、これも may well の1つの基本的な意味が文脈に応じて訳し分けられているだけです。

 
    ・ may  (well)  ~

 
 well はmay を強調している副詞です。well (かなり) may であるという意味です。

 ですから、may well は may そのものの意味が単に強調されているだけです。


   【may well の意味】

   may well  : 「客観的な実現可能性が50%という推測を表わす」の強調版

            (50%が60%ぐらいになったような感じ)

                → may well の意味は1つ

            → 文脈に応じて「~するのももっともだ」、「たぶん~だろう」


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