2013年2月11日月曜日

【must にはなぜ「現在形」しかないのか】


   ・ I must finish my homework.  (~しなければならない)

   ・ He must be sick. because he looks pale.  (~にちがいない)


 助動詞 must には「現在形」しかありません。

 つまり、過去形がないのです。

 他の助動詞には過去形がちゃんとあります。 (would, could など)

 これはなぜでしょうか?

 当ブログの「具体」と「抽象」という視点で以下のように説明したいと思います。

 【助動詞】のところで次のように記載しました。


        ●動詞の現在形: 100%  (事実)「具体」

    助動詞の原形・過去形+動詞の原形: (推測)「抽象」
   ●must      90%  
      will       70%
       can        60%
    may     50%
     would    40%
     could    30%
     might    20%

       *数字は実現の度合いを表しています。


 注目してほしいところは●印のところです。

 musit の推測の度合いは90%です。

 これは具体的「事実」を表わす動詞の現在形(100%)に一番近い数字です。

 つまり、must の表わす内容は限りなく「事実」に近いのです。

 英語は「事実」を「現在形」で表わします。

 そして、must も限りなく「事実」に近いため「現在形」で表わされるのです。

 must の意味は「~しなければならない」・「~にちがいない」ですが、いずれも十分な根拠に基づいた断定であり、話し手は「~」をほぼ「事実」として認識しているのです。

 最後に、must に過去形がない理由ですが、これは過去形が具体的事実ではなく頭の中での想像を表わすため must とは相性がよくないからです。

 以上が、「must にはなぜ現在形がないのか」の理由であると当ブログでは考えます。


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