2013年3月13日水曜日

【文型:SVX】


 英語の文型について考えます。

 「5文型」が代表的な文型ですが、当ブログでは次のような文型も提案します。


     【英語の基本文型】

      S + V + X

       S : 主語

       V : 動詞

         X : 動詞がとるいろいろな形  (エックス)


 文型とは何でしょうか。

 当ブログでは、文型とは「動詞がとるいろいろな形」を表したものであると考えます。

 そして、この考え方でとらえると文型は結局1つに収束します。

 それが「SVX」という文型です。

 ポイントは、「動詞がどのような形をとるのか」に注目すると英語が理解しやすくなるということです。

 動詞のとる形が見えてくると、英語の構造が見えてきます。

 英語の構造が見えてくると、英語力は飛躍的にUPしていくと思います。


【「再帰代名詞」の使い方と英語の視点】




 池上嘉彦 『英語の感覚・日本語の感覚』 NHK出版、2006年

 英語が日本語よりも「抽象的」な表現を得意としている例を、この本から取り上げます。

 それは「再帰代名詞」の使い方です。

 以下引用です。


  •  同じ状況を言語化していながら、英語のほうでは再帰代名詞を用いるのに対して、日本語のほうでは「自分自身」というような言い方をせず、せいぜい<身体>とか、<頭>、<首>といった<身体部位>を表す表現で処理するということである。

  •  たとえば、”He hanged himself.” や “He washed himself.” といった文は “He hanged the robber.” とか “He washed the body.” といった他者への働きかけを表す文と表現の形式はまったく同じであり、hang や wash という語の他動詞としての使い方もそれぞれの2つの文ではまったく同じである。

  •  ということは、再帰代名詞を用いている表現でも、再帰代名詞として表されている<自分自身>は行為を蒙る対象としての<他者>並みに扱われているということである。

  •  英語の話し手は自分自身を客体化し、他者として捉えてみるという心理的操作に関しては、日本語の話し手に較べると、はるかに抵抗感なくやってのけることができように思える。(P168)


 自分自身を客観的に捉えることは、自分自身を「抽象的」に捉えていることを意味しています。

 そして、英語は日本語よりもはるかに抵抗なく「抽象」的な視点をやってのけることができるのです。

 当ブログの【英語の視点と日本語の視点】のところで以下のような指摘をしました。


    英語の視点 : 「鳥瞰図的視点」 

              → 主観的視点 + 客観的視点

              → 「具体」だけでなく「抽象」もみえる

              → 自分自身も客観的にみえている

              → 主語を省略しない


   日本語の視点 : 「埋没的視点」 

              → 主観的視点のみ

              → 目の前の「具体」だけがみえる

              → 自分自身が客観的にみえていない

              → 主語の省略


 「再帰代名詞」の使い方にも上記の視点の違いが反映されていると思われます。


2013年3月10日日曜日

【address の意味】


“address “ という動詞にはいろいろな意味があります。


   ・~に演説する
   ・~に話かける
   ・~を(・・と)敬称で呼ぶ
   ・~に宛先を書く
   ・~に向けてじかに言う
   ・~に取り組む
   ・(ゴルフ)~に狙いをつける  など


 では、どうすればこれらを覚えることができるでしょうか。

 おすすめは、英英辞書で覚えることです。

 英単語の語感を身につけるには、英語を日本語でとらえるのではなく、英語を英語でとらえることが効果的です。

 なぜなら、これは英語の上級者なら誰でももっている経験的な直観だからです。

 では、address の英語の意味をみてみましょう。


      【address】の意味

       1.   to write on an envelope,  packages etc.  the name and address of the person you are sending it to

       2.   ≪formal≫ to discuss,  think about,  or do something about a particular problem or questions,  especially with the aim of solving a problem.

       3.   to make a speech to a large group of people

       4.   to use a particular title or name when speaking or writing to someone

       5.   ≪formal≫ to speak directly to someone


 1は「~に宛名を書く」という意味です。

 「~」には宛名を書く対象である封筒、パッケージなどがきます。

 これが address の基本的な意味です。

 そして、2からは、この基本的な意味が抽象的に拡張されていきます。

 では、どのような意味の拡張となっているのでしょうか。

 
     ~に宛名を書く 

     ↓

     「~に焦点を当てて行動する」

     ↓

     ~について取り組む、考える、議論する

     ↓

     ~に向けてじかに話す、~に向けて演説する など


 ポイントは「~に焦点を当てて行動する」です。

 焦点を当てる対象は、「封筒」などから「問題」などへと拡張されています。

 行動する内容は、「宛名を書く」から「取り組む、考える、議論する、話す、演説する」などへと拡張されています。

 以上のように、ある英単語の基本点な意味と、そこから抽象的に拡張された意味をおおまかにイメージしておくことが大切です。

 そうすれば覚えやすくなります。

 最後に例文で確認するとさらに覚えやすくなります。


      【address】の意味

    1.   I addressed the letter to Mr. Suzuki.

        2.   The comment addresses  the problems of poverty in the country.

        3.   He addressed a rally in New York.

        4.   You had better address him as “Dr. Suzuki.”

        5.   He turned to address her asking the question.


2013年3月4日月曜日

【on time の意味】


 on time の意味について考えます。


     on time  : 時間どおりに

      The bus arrived on time.


 ではなぜ on time の意味は「時間どおりに」なのでしょうか?
 
 当ブログでは以下のように考えます。

 【at, on, in の使い分け】2のところで以下のように考えました。


      on : 「面」を表わす

           ニ次元空間

           「面」に接していると感じる時に使われる

           → 「動作」を表わす


      on : 「川」を表わしている感じ

           動いている感じ

           → 「動作」


      「場所」を表わす on, が拡張」されて「時間」や「動作」も表わすようになった


 以上のことから on time のニュアンスは以下のとおりとなります。


       on time  : ある特定の時間の流れにのって動いている感じ

               →「時間どおりに」


       The bus arrived on time.

       : バスが「運行時刻表」という時間の流れにのって動いて着いた

         →「バスが時間どおりに到着した。」


 on は「動作」という感覚をもつと、いろいろな慣用表現の意味を理解ですることができると思います。